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16 10月
トリエンナーレのアート作品のひとつ

真っ白な繭は時に人を取り込むけれど、その躯体は虚ろであった。
見上げると日を透かすフラフープ、透けぬは鉄の骨。

仰ぎ見て初めて知る素材の組み合わせ。
私は考えている。
この作品を繭たらしめるべく、すべきこと。
私が作者であったならパーティー用の “ひもスプレー” で以て、この不完全な繭を包み込もう。
展示の最終日には、幾千もの糸で、この空虚な繭に肉体を与えよう。
そうして全てが白く覆われた繭は、美しかろうと思うのだ。
胎内に入り私は蚕となろう。
私は糸を吐き続けよう。
“ああ、これでやっと休めるのだ。夕日が赤々と繭を染めていた。これだけは確実に誰からも妨げられないおれの家だ。” — 安部公房 『赤い繭』
さもアーティスト然として堂々と、このインスタレーションを行うことを夢見ている。
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