ため息の重さ

ため息ひとつ。
ぺしゃりと落ちた。

私のため息は大気と反応するらしい。

絞り出すとすぐに半実体をもって、ニュートンに捕まる。ぺしゃり。
床も机もお構いなしで、そこにぺしゃり、ここにぺしゃりときたもんだ。
まったく己のため息というやつは、目に見えるようになると実にみっともない。
それがまた触ることすら叶わぬから困っている。

そうしてため息は一週間もするとそこかしこに小山を形成した。
こたつの周辺などはもはやバリケードの様相だ。
しかし私はこのぺしゃりとした部屋で眠らねばならぬ。
うかつに寝返りを打たぬように眠るのは難儀だが、寝袋を使うことで解決した。
ふぅ・・・

 

 ぺしゃり。
- – - – -

我が物顔で私の部屋を占拠するこのため息の残渣は、天気の良い休みの日に窓を開け放っておくといつの間にか霧散している。
いつだったか、ふよふよと風に泳ぐ姿を見た。
「おい、ぺしゃりとふよふよではだいぶ違うぞ」
そう問い掛けたが、無論返事はない。

まったく不可思議なものである。

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